シール不良には、主に噛み込み・ダーツ・斜めシールなどがあります。 シール不良が発生すると、内容物の気密性が保たれなくなり、カビや内容物の変質、漏れなどが発生します。これらの重大欠陥を発見するために、シール検査の工程が重要視されています。 各不良の検査方法 各不良に対する検査方法として以下のものが挙げられます。 噛み込み シール部分の異物(噛み込み)が発生するとその部分のX線が遮られるため、局所的に透過量が減少します。X線センサでは透過量の差を活用して噛み込み不良を検知します。 ダーツ ダーツ部分は包材の枚数が多くなっているので、噛み込みと同様に不良部分のX線透過量が局所的に減少します。透過量が減少し、任意に設定した閾値を下回るとNGと判定します。 斜めシール・シール後退 包材が正しい位置を通過しないことで発生する斜めシールやシール後退を判別することができます。 噛み込み検査で用いられる代表的な検査方式 噛み込み検査には、X線や光学式など様々な方式があります。そのうちのいくつかの例をご紹介いたします。 検査方式 検査原理等 X線 X線の透過量を計測。 噛み込みがあるとその部分のX線が遮られる。 噛み込みによる透過量の減少を利用している。 光学カメラ カメラで撮影した画像に画像処理を行うことで不良を検知する。 赤外線(サーモグラフィ) シール部の熱分布を計測。 噛み込みによる温度変化を利用している。 超音波 噛み込みによる超音波の透過量の差を利用している。 変位センサ シール部の厚みを計測。噛み込みによる厚みの増加を利用している。 軟X線検査が選ばれる理由 数ある方式の中で、お客様が軟X線センサを選んでいただいた理由をご紹介いたします。 ケース1.中身の見えないアルミ蒸着フィルムや印刷のある包材 光学カメラでは、中身の見えない包材や、印刷のある包材では検知が難しい場合がある。 ➝X線センサは、中身の見えないアルミ蒸着フィルムや印刷のある包材にも対応いたします。 ケース2.熱伝導性が高い場合 赤外線(サーモグラフィ)では、シール直後に設置する必要があるが印字検査機が入っていてスペースがない。 熱が伝わりやすい熱伝導性が高いものは温度差がでないため、検査が難しい。 ➝X線センサは、熱伝導性に関わらず検査が可能で、包装機内のシール前・シール後または、包装機の後工程に設置することができます。 ※別途現場確認が必要です。 ケース3.検査視野が狭い場合 超音波方式では、検査視野がせまくシール面全体を検査することができないので、袋端の噛み込みを検査できない。 ➝X線センサは、標準仕様で検査視野200mmまで対応しています。 ケース4.厚みの影響を受ける場合 ピロー包装の包材において、センターシール部分の膨らみのバラツキがあり良品を過検知してしまう ➝X線センサは空間的な厚みの影響を受けずに検査することができます。 上記のご意見は、必ずしもその方式の製品に当てはまる性質とは限りません。弊社製品を選んでくださったお客様の決め手となった特徴をご紹介しております。